2007年2月9日(金)14:01

ドイツとイタリアはEU憲法の前進を図る意向

テュービンゲン(AP)

ドイツのホルスト・ケーラー大統領とイタリアのジョルジョ・ナポリターノ大統領は、欧州憲法の成立を推進する意向である。ケーラー大統領は金曜日、テュービンゲン大学で開かれた学生との討論会の席で、憲法プロジェクトは国民国家の廃止を意図するものではない。共通の価値基盤に基づいてさまざまな力を束ねるものである、と語った。

「私の考えるところでは、補完性の原則に基づく明確な権限分割がさらなる欧州統合に対する理解を得る上で最も重要な鍵となる」とケーラー大統領は述べた。イタリアのナポリターノ大統領は共通の憲法上の枠が必要であると述べ、「私たちはEU憲法条約を反古にしないようドイツを支援する」と語った。ドイツは現在EU議長国を務めている。アンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟)は憲法批准プロセスを再活性化させるとの意向を表明している。

ナポリターノ大統領はEUが「民主主義の赤字」を抱えていると述べた。大統領は欧州議会に一層の権限を与え、閣僚理事会の権限を縮小するよう求めた。これは真っ向からのぶつかり合いになろうと大統領は述べた。ケーラー大統領は、欧州議会の権限を拡大し、「欧州市民が市民請願によってEUの政策に直接影響を及ぼせるようにする」ことにより、EUを一層民主的にするのが憲法草案の目標である、と語った。

さらにケーラー大統領は、全会一致の代わりに多数決決定を拡大することにより、EUの行動能力を高めることも憲法の目標である。これにより加盟国間の政治的取引の傾向が制限される、と説いた。ナポリターノ大統領は官僚主義がこれ以上拡大しないよう警鐘を鳴らした。またEU農業補助金の削減も主張した。ケーラー大統領は教育と研究の分野に一層の予算を投資するよう求めた。

原題:Deutschland und Italien wollen EU-Verfassung voranbringen




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